2月1日にタイのお隣の国,ミャンマーでクーデターが起きました.
先日の記事に,この時軍に拘束されたアウンサンスーチー女史についての書きました.
今日はタイから見たミャンマーについて書きたいと思います.
ミャンマーという国
正式な国名はミャンマー連邦共和国.英語ではRepublic of the Union of Myanmarとなります(Wikipediaより).
国土面積は日本の約2倍.人口は5千万人台.首都はネピドー.南東でタイとラオスに接しています.
使われている公用語はビルマ語.ちなみにアウンサンスーチーの名前はと表記されます.丸っこくてかわいい印象があります.大昔,貝多羅用(ばいたらよう:ヤシの葉っぱ)の表面にキズを付けて文字を書き込むので,破れないようにするためだんだんと丸くなっていったと言われています.
また名前については一般的に「名字」という概念がないので,例えば「アウン・サン・スー・チー」と区切るのではなく,「アウンサンスーチー」一語でいわゆるファーストネームになるということなのでしょうか.
タイではミャンマーのことをビルマと呼ぶ
ところで「ビルマ」とは「ミャンマー」の昔の国名の呼び方になります.国名が変わったのは1989年のことですが,ボクの年齢ではビルマという国名の方に親しみを感じます.「ビルマの竪琴」という映画があったのを何となく覚えていますよ.
タイでは「みゃんまー」という言葉でもわりと通じますが,タイ人同士では普段から「ぱまー」という言葉を使っています.「ぱまー」とは「พม่า (pha maa)」とタイ語で書きますが,タイ語でビルマという意味です.
しかしニュースではやはりミャンマーという言葉を使っていました.
タイとミャンマーは仲が悪い?

大昔からタイとミャンマーは何度も戦争をしてきました.どこの国でもあることですが,いまでもタイ北部等の国境をめぐって対立があります.
タイには昔,400年以上続いたアユタヤ王朝と呼ばれるが時代がありましたが最後にはビルマ軍に滅ぼされました.その時寺院や街は徹底的に破壊しつくされ,仏像の頭も彼らによってたくさん切り落とされました.
タイ人は敬虔な仏教徒が多いので,この一点だけでもタイ人の怒りを買っていることは間違いありません.学校でもタイの歴史を学ぶので,ボクが知っている限りでもあまり好意的ではないように見えました.
個人的なレベルではタイ人のミャンマー人に対する考えはこのようなものでしょう.たしかにミャンマー人はお手伝いさんで雇ったり,3K現場で労働をしたりすることが多く,タイの中で多く見られるミャンマー人は社会的には立場が低いです.
しかしボクが仕事現場で出会ったあるミャンマー人は英語もタイ語も上手で優秀な人でしたし,植木屋さんでバイトをしていたミャンマー人の女の子は日本語の勉強をしていて少し世間話をすることもできました.
現在は民間レベルでも政府レベルでも友好的な関係
タイのテレビ番組でもミャンマーでの旅を紹介しているものがあります.タイにはないまだまだ素朴な面や美しい寺院,ミャンマーの食べ物を見て行ってみたいという気になりますね.
日本はもちろんですが,タイもミャンマーのインフラ整備に協力・投資しており,政府レベルでも盛んな交流があります.ちなみにタイのプラユット首相の初外遊先はミャンマーでした.今回のクーデターはすでにミャンマー一国だけのことではなく ASEAN 全体に影響することにもなるので,この先どうなってしまうか心配です.
プラユット首相は今回のクーデターに関して「内政問題」だとコメントするにとどめています.まだ確定していない状況と世界各国の反応を様子見というところでしょうか.
まとめると
ビルマがアユタヤを滅ぼした歴史もあり,個人レベルでミャンマーを良く思っていない人もいるようですが,おおむね国民同士は友好的な面もあるようです.
政府レベルではミャンマーのインフラ整備に関する投資案件は沢山あり,このまま友好関係を築きつつ共に発展していけたら嬉しいと思います.
[…] 以前のアユタヤ王朝に関する記事でも書きましたが,タイの人々はタイの伝統と文化が西洋や中国の文化とも絶妙に混ざり合って,しかもその中で自然に暮らしていますね. […]