新型コロナ変異株の現在はどこまである?オミクロン株が5番目なのはなぜ?

variant virus omicron

先日書いた記事(新型コロナ変異株の現在はどこまである?なぜギリシャ文字を使う?)からの続きです。

新型コロナ変異株には、初めて確認された国名+株という形で名称が付けられていましたが、WHOの方針でギリシャ文字を使ったラベル付けで表現することを推奨しています。

ギリシャ文字のオミクロンは15番目の文字(ギリシャ文字の一覧表)ですが、なぜ5番目の変異株なのか?を調べてまとめました。

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新型コロナ変異株の分類

まずはおさらいですが、新型コロナ変異株の分類についてみていきます。

新型コロナ変異株をWHOは重要度によって次のように分類しています。

VOC:Variant of Concern 懸念される変異株

公衆衛生への影響が大きい感染・伝播性、毒力*、及び治療・ワクチン効果の変化が明らかになった変異株

表1 国立感染症研究所による国内における変異株の分類(2021年10月28日時点)

※「毒力」とは、病原体が引き起こす感染症の重症度の強さの意味

VOI:Variant of Interest 注目すべき変異株

公衆衛生への影響が見込まれる感染・伝播性、毒力、及び治療・ワクチン効果や診断に影響がある可能性がある、又は確実な変異株で、国内侵入・増加の兆候やリスクを認めるもの

表1 国立感染症研究所による国内における変異株の分類(2021年10月28日時点)

VUM: Variant Under Monitoring 監視中の変異株

公衆衛生への影響が見込まれる感染・伝播性、毒力、及び診断・治療・ワクチン効果に影響がある可能性がある変異を有する変異株
また、VOCやVOIに分類された変異株であっても、以下のような状況では、本分類に一定期間位置付ける

表1 国立感染症研究所による国内における変異株の分類(2021年10月28日時点)

Formerly monitored variant という、以前に監視された変異株

※WHO Tracking SARS-CoV-2 variants より

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新型コロナ変異株のラベル付け

前述のWHOによる新型コロナ変異株の分類によってどのようなラベル付けがされているかみていきましょう。

ギリシャ文字一覧表

まずはギリシャ文字の一覧表です。オミクロンは15番目になっていますね。

greek letters
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VOC(懸念される変異株)分類

新型コロナ変異、VOC分類の表です。

2021年12月19日現在

デルタはギリシャ文字で4番目ですが、ギリシャ文字で15番目のオミクロンがVOC分類の5番目にいきなり現れていますね。間のイプシロン(ギリシャ文字で5番目)からクシー(ギリシャ文字で14番目)まではどこに消えてしまったのでしょうか?

VOI(注目すべき変異株)分類

新型コロナ変異株、VOI分類の表です。

2021年12月14日現在

ラムダ(ギリシャ文字で11番目)とミュー(ギリシャ文字で12番目)はVOI分類の中にありました。

VUM(監視中の変異株)

新型コロナ変異株、VUM分類の表です。

2021年12月14日現在

ギリシャ文字で7番目(イータ)・9番目(イオタ)・10番目(カッパ)がここにありました。

ここまでで消えたギリシャ文字の半分が見つかりましたが、残りはどこにあるのでしょうか?引き続きみていきましょう。

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以前に監視された変異株

新型コロナ変異株で、以前に監視された変異株(Formerly monitored variant)についての表です。

2021年12月14日現在

WHOのウェブサイトには「以前に監視された変異株」として他にもたくさんのものがありますが、ここではVOI、VUMにまで分類された、つまりギリシャ文字でラベル付けまでされた変異株を挙げました。

ギリシャ文字で5番目(イプシロン)、6番目(ゼータ)、8番目(シータ)が出てきました。

さて、残りはギリシャ文字の13番目(ニュー)と14番目(クシー)のみとなりましたよ。

新型コロナ変異株のニュー株とクシー株は飛ばされた

WHOのウェブサイト内を検索しても、ニュー(ν: nu)とクシー(ξ: xi)をすっ飛ばした理由が書かれている記事は見つかりませんでした。

しかしCNNの記事によると、WHOがCNNに対してemailで下記のように回答したそうです。
「ニュー(nu)は ‘new’ と混乱しやすく、クシー(xi)は一般的な姓であるから使用しない」
ということです。

確かに、英語で nu variant(ニュー株) と new variant(新しい変異株)は発音が同じなので混乱しそうですね。

クシー(Xi)は一般的な姓ということで使用を避けたということですが、発音は違いますがある中国人の姓をピンインで書くとXi(シー)となり、これと類似しているからではないかということでした。

一般的な姓だからということでXi(シー)さんに気を遣ったのなら、Omiさん、つまり我々日本の尾身さんや近江さんにも気を遣って欲しかったと思いますよね。

次の記事ではクシー(Xi)がどれくらい一般的な名前なのかを調べてみます。

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