「野球狂の詩」、「ドカベン」、「あぶさん」の作者、水島新司先生が1月10日に死去されたと報道がありました。死因は肺炎(現在のところ新型コロナとは関係ないようです)、82歳でした。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
水島新司先生が引退を表明されてからまだ1年余りのことですね。
水島新司先生を惜しむ声がTwitter上でもたくさん寄せられています。
水島新司の経歴
1939年4月10日生まれ。享年82歳。
新潟県新潟市の出身。元俳優の水島新太郎は長男。
1958年(昭和33年)にデビュー作「深夜の客」を新人漫画コンクールに投稿、当時は水島新司が18歳の時でした。
以後は出版社で編集の下働きをしながら寝る間を惜しんで執筆を続け、主にコメディ漫画を執筆していました。
1970年に「男どアホウ甲子園」で野球漫画のヒット。
1972年から「野球狂の詩(うた)」、「ドカベン」が連載開始。
1973年からは「あぶさん」が連載開始されました。「あぶさん」はその後41年もの長期間連載され、2014年に完結しました。
2021年の野球殿堂入り候補に選ばれましたが、水島新司は辞退しています。
先の2020年12月1日に水島新司は漫画家引退を表明していました。この時の引退理由については明らかにしていません。この時から体調が悪かったのでしょうか。
18歳から63年間を漫画に捧げた、まさに「野球狂」の水島新司先生でした。
水島新司の「野球狂の詩」

水島新司の代表作に「野球狂の詩」、「ドカベン」、「あぶさん」がありますが、「野球狂の詩」は水原勇気(みずはらゆうき)というプロ女性投手が登場する当時でも斬新な作品でした。
水島勇気の決め球は「ドリームボール」
水原勇気の投げ方はアンダースローでサウスポー。作品が出た当時でもこのような投手は日本のプロ野球界に存在しませんでした。
「水原勇気」は現在でも女性投手の代名詞となっていますね。
水原勇気はドリームボールという決め球を持っていて、このボールはストレートとして放たれた後ホップして、打者の手前で揺れながら落ちるという変化球です。
この「野球狂の詩」はアニメ化、実写化、ゲーム化もされていて、実写版のスペシャルドラマでは斉藤由貴さんが主演していました。斉藤由貴が初々しくてかわいいですよ。
アニメ「野球狂の詩」、水島勇気が登場しない時のED
アニメの「野球狂の詩」のエンディングに「栄光の彼方へ」という歌がありました。
女の人が主人公なのにすごく男くさいなぁ、と幼心に思っていましたが、水原勇気が登場しない回のエンディング曲だったようです。
男は誰も ヒーローだから 泥にまみれて 耐えるのさ
「栄光の彼方へ」の歌詞の一部抜粋
という歌詞から始まるこの「栄光の彼方へ」は、いわゆるスポ根を体現したような曲で、現在のポリコレ環境では放送後にクレームが来そうな歌詞です。
でもね、久しぶりに聴くと涙が出そうになりました。
その後次のような歌詞があり、ここのメロディーと歌詞はとても印象的です。
素振り千回 腕が折れても 死ぬまでバカに なってみろ!
「栄光の彼方へ」の歌詞の一部抜粋
この部分の歌詞を今の今まで
素振り戦隊 腕が折れても 死ぬまでバッターに なってみろ!
と、勘違いして覚えていました。
今日も聞こえる野球狂の詩を歌いながら水島新司先生を偲びたいと思います。